2005年09月02日

いま改めてスポーツマンシップについて考えてみる。

「宣誓、 我々はスポーツマンシップにのっとり正々堂々と・・・」
甲子園などのスポーツの大会で、選手宣誓の際に、
よく聞かれるこの言葉。「スポーツマンシップ」。
この言葉、よく聞きはするけど、あらためて意味を問われると、
答えに窮してしまいます。そういえば、学校では教えてくれなかったよなぁ。

辞書(大辞林)で調べてみるとこの「スポーツマンシップ」、
『スポーツマンの備えているべき精神。』とあります。
なんだかわかったようなわかんないような説明ですねぇ。

この「スポーツマンシップ」という言葉の重要性に気づいて、
この「スポーツマンシップ」という言葉の普及活動をされているのが、
スポーツ総合研究所所長の広瀬一郎さん。
スポーツビジネスの世界でいろいろな実績を残されている広瀬さんが、
『この言葉の意味を正確に理解し、身に着けていくことは、
スポーツの強化にも繋がるし、ひいては、社会にも良い影響を与える』
という信念を持って、現在が力を入れていらっしゃるのが、
「日本の小学校段階でのスポーツマンシップ授業の普及」。
この普及活動を進めていくために、
広瀬さんは、ビデオ教材を作成し、
全国の小学校に配布するというプロジェクトを推進しています。


で、水曜日、僕はこのビデオ教材(ジーコ監督や加藤久さんも登場!)の
鑑賞会があるというので行ってきました。

特定非営利活動法人 横浜スポーツコミュニケーションズ主催
フットボール道場 番外編
スポーツ総合研究所作成 「スポーツマンシップ教材ビデオ」鑑賞会


広瀬さんも来て、制作にいたるまでの経緯や、
今後の展開についても語っていただけるというし、
実は、僕自身ここ最近読んだ本の中で、
一番文章がすーっと自分の中に入ってきた本が、
広瀬さんの『スポーツマンシップを考える 』という本だったので、
その本の内容が映像化されたものが見られる
そういった期待感も持って参加してきました。


そこで見てきたビデオ、その内容にほんと感動させられましたし、
考えさせられる事が多かったです。広瀬さんが小学生相手に
授業をしている映像がほとんどなのですが、
小学生でもわかるレベルでスポーツマンシップについて説いています。




ここでは、その僕が見てきたビデオについて
web上レビューをしてみたいと思います。


■まずスポーツとは

スポーツマンシップに含まれる言葉、スポーツ。
まずはこの言葉から考えてみましょう。
この言葉も、非常になじみがありますけど、
改めて説明しようとすると難しい言葉です。
「スポーツ」=「運動」だと思っている人もいるけどそれは違います。
赤ちゃんのハイハイは、運動とは言うけど、スポーツとは言わないから。
運動に何かが加わったもの、これがスポーツだといえるでしょう。
「スポーツ」=「運動」+「 ? 」
広瀬さんは「 ? 」に当たるもの、これは「ゲーム」だと説いています。
「スポーツ」=「運動」+「ゲーム」
じゃー、「ゲーム」ってどういうものなんでしょう?


■ゲームとは

ゲームとは、
 「ルールがあって」
 「自主的に・楽しむ・遊びであって」
 「競う」

ものだと、広瀬さんは小学生に語りかけてます。

で、ゲームが成り立つためには、次の3つが必要です。
 「ルール」
 「相手」
 「審判」

ゲームとは、競うものであるのだから、
どちらが勝者か基準となる「ルール」が必要だし、
当然、「相手」が必要だし、
どちらが勝者か判断する「審判」という第3者が必要になります。
これらのどれが欠けても
スポーツは成り立ちません。


■弱い相手に勝って楽しいか?

広瀬さんは、児童たちに聞きます。
「たとえばサッカーの試合で、
 ・自分たちよりも下の学年のチーム
 ・相手の主力がかけているチーム
 ・フルメンバーのチーム
どのチームに勝ったら楽しい?」と。
子供たちは答えます。
「フルメンバーのチーム」と。
そう、相手の強さを認めて、
それに勝つ、もしくは勝とうとするから
スポーツは楽しいのです。
相手の強さが認められない相手に勝っても楽しくはないのです。


■スポーツマンシップとは、尊重する心構え

スポーツは、強さを認めた相手に勝つから楽しい。
つまり、
 相手を認めること、
 相手を尊重すること

がスポーツにとってはそれが大事なことになります。
しかも相手も含めて、先ほどあげたスポーツに必要な3つ
 「ルール」
 「相手」
 「審判」

を尊重すること、これが必要になります。
これらを尊重すること、その心構え、これのことを
スポーツマンシップといいます。
尊重することがスポーツの根底には必要なのです。


■試合途中、選手交代を告げられたら

試合の最中、選手交代を告げられて、
ふてくされた態度を取ってしまう選手がいます。
これはスポーツマンシップがかけた態度だといえます。
なぜなら、
交代で出てくる選手を尊重した態度とはいえないからです。
交代で出てくる選手を尊重するのであれば、
その選手が気持ちよく活躍できるような態度をするべきなのです。
尊重する心構えがない人は、スポーツマンとは呼べないのです。


■スポーツマンはGood Fellow

イギリスの本には、
スポーツマンシップとはGood Fellowになることと書いてあるとのことです。
Good Fellowとはよき仲間という意味。
お互いが尊重しあえるから、
「Good Fellow=よき仲間」になれるのです。
だから、このスポーツマンシップという心構えは、
スポーツだけじゃなく、さまざまなことに通じるのです。
スポーツをやる人たちだけでなく、
スポーツを見ている観客や、その他の人たちにも
通じる考え方なのです。





このビデオを見ていた同時刻、
仙台スタジアムでは、ベガルタ対ヴォルティスが行われていました。
一部心無いサポーターが過激な表現を使ったダンマクを張り出したり、
試合後選手に向かって物を投げたりしました。
自分達の仲間に対してすら、尊重することのできない人達のニュースを聞いて、
僕は愕然としました。
確かに、僕も、気持ちのこもっていないプレーをする選手に対しては腹も立つし、
意味不明な選手起用をしている監督にはむかつくし、
ビジョンの見えないフロントには怒りを覚えます。

だけれども、だけれども、
暴力に訴えて言い訳がないでしょう。
個人に向かって「死ね!」なんてダンマク掲げるのはおかしいでしょう。



昨日、広瀬さんが言っていた言葉。
「二十歳を超えた人間が、
 いまさらスポーツマンシップを身に付けるのは無理!
 なぜならそれは、美意識だから。
 子供の時の躾が大きな影響を及ぼすから」
だから、広瀬さんは子供達にスポーツマンシップを
教えるプログラムを進めているのだという。

大人になってしまった僕たちにはもう
スポーツマンシップを身につけるのは手遅れなのかもしれない。
スポーツマンシップを身につける努力は無駄なのかもしれない。



でも、やる。やらなければならない。

よりスポーツを楽しむために。
よりスポーツがある幸せを感じるために。


皆がGood Fellowになるためには、
一人ひとりが考え、意識し、行動するしかないんだよ。


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長文お読みいただいてありがとうございました。

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この記事へのコメント
こんにちは、ごぶさたしております。
こちらのエントリに考えさせられ、共感しました。
少し安易な方法ですが引用し、TBさせて頂きましたので
ご挨拶させていただきます。
Posted by へっぽこゼファー at 2005年09月02日 13:17
TBありがとうございました。
今後のサポーターが良い方向へと発展していくことを望みます。
Posted by 365日サッカー日記〜でもベガルタ仙台中心日記の者です。 at 2005年09月02日 19:05
>へっぽこゼファーさん

こちらこそご無沙汰しています。
このエントリーに共感していただけたということなら、
こちらとしても嬉しいです。
ありがとうございます。


>365日サッカー日記〜でもベガルタ仙台中心日記の者です。さん

今週末のダービー、ピッチ上もスタンドもいい試合になることを望んでいます。
Posted by あちゃくん at 2005年09月02日 19:27
3月敷島サッカー場での出来事。仙台サポーターはバックスタンドに持ち込み禁止の大旗を警備員の制止を振り切って、暴力的に持ち込んで、好き勝手な応援をやっていました。テレビで今回の出来事を見て17日の敷島での試合は警備員と警察をお願いして試合することとなると思います。もし草津が勝っか引き分けると大変です。警察の力を借りて、コントロールする以外ないでしょう。事実横浜FCと引き分けたときも、選手に物を投げるなど乱暴狼藉を横浜サポーターが働いて、バスの前に寝込んで困って、警察が横浜サポーターをようやく排除したのですから。こんなことをみて子供たちは、サッカーを好きになるでしょうか?考えてください。
Posted by ざすっぱ at 2005年09月02日 21:15
「スポーツマンシップ」は見る側にも必要ですね。

私は前からサッカーが好きだったけれど、中々スタジアムまで足を運べませんでした。
それはなんとなく「サポーター」が怖かったから。
一度行ってみれば、みんな思い思いにサッカーを楽しんでて、不安は吹き飛びました。
仙台のニュースをみて、その頃の不安を思い出しました。

選手、監督に対する敬意はとても大事です。
横断幕は見てて悲しくなりました。
あれだけ横に並ぶと、選手はどんな気持ちだったでしょう。
ただ不満を発散したいだけなら、サッカーの場でなく他の場があると思います。
Posted by miyo at 2005年09月02日 22:35
>ざすっぱさんへ

17日は、僕も敷島にお邪魔させていただく予定です。
ザスパは、昨年試合のボランティアをやらせていただいて、個人的にも愛着のあるクラブです。ピッチの上でも、スタンドでも、子供たちがかっこいいと憧れるような試合になること(すること)を期待しています。


>miyoさんへ

サポーターの本分は、サポートすることです。
>横断幕は見てて悲しくなりました。
>あれだけ横に並ぶと、選手はどんな気持ちだったでしょう。
僕もあれば選手・監督を鼓舞することにつながったとは思えません。
選手がピッチ上で能力の全てを出しきれるようにすることを、
考えながら行動すること、
それを自分のできる範囲ですること、
これがサポーターだと僕は思ってます。
Posted by あちゃくん at 2005年09月03日 00:00
ざすっぱさん、仙台系のblogにマルチ(・A・)イクナイ!!
Posted by 通りすがり at 2005年09月03日 21:23
トラバありがとうございました。
 今年は柏での乱闘騒ぎや、ヴェルディ、FC東京、ベガルタの3箇所であったバス囲み。サポーターの横暴が多すぎます。選手は物じゃないんです。いつからか「自分たちの思い通りに動く駒」のように感じてしまっている人が増えていて、悲しく思っています。選手はひとりの人間。動作についても熟慮したものから時にはひらめきで勝手に体が動くものまでさまざまです。だから、予測がつかない結果が出たりするわけです。
 なかなか勝てない状況下というのは結構つらいですが、負けを知らなければ勝利の価値も落ちるというものです。負けたときの苦しさ、悔しさを選手とともに乗り越えたときの喜びは格別ですよ。
Posted by おやある at 2005年09月03日 22:43
TBありがとうございました。
あんな事がおきてしまうなんて、本当に悲しいです。
今回の事を私たちは重く受け止めて、再び繰り返さないためにも1人1人考えなきゃいけないですよね。

こんな時だからこそ明日の山形戦はスタジアムに足を運んで精一杯の応援をしてこようと思っています。
Posted by tappu at 2005年09月03日 23:47
>通りすがりさんへ

確かにマルチポストという方法は、あまりほめられたものではありませんが、それだけざすっぱさんの怒り・悲しみが深かったということでしょう。このブログでは、エントリーに関係があって、主張があるのもであれば、受け入れるつもりです。
Posted by あちゃくん at 2005年09月04日 08:26
>おやあるさんへ

>負けを知らなければ勝利の価値も落ちるというものです。負けたときの苦しさ、悔しさを選手とともに乗り越えたときの喜びは格別ですよ。

おっしゃるとおりだと思います。
ブランメル時代から、ベガルタに変わってJ1に昇格するまで、見てきた十数試合の中で、僕が見た勝ち試合は、2試合だけでした。
でもその2試合、
天皇杯でマリノスに勝った試合と
FC東京の目の前での昇格を阻止した試合の喜びは格別でした。
昔はほんと弱っちぃチームだったんですけどね。
Posted by あちゃくん at 2005年09月04日 08:27
>tappuさんへ

こんなときだからこその精一杯の応援がんばってください。
僕も遠くからですが、チームとチームを愛するサポーターを応援しています。
Posted by あちゃくん at 2005年09月04日 08:28
あささん

激しく同意です。
他人へのリスペクト無しにスポーツは成り立たないと私も思ってます。
中国、広州という異国の地でボールを蹴るチームメイトにも
この話紹介させていただきます。
Posted by at 2006年06月02日 21:02